今や会社のホームページ、会社のドメインでのメールは当たり前になりました。
そしてそれらを行うサーバはレンタルサーバではないでしょうか?
大企業はともかく、中小企業に関してはほとんどがそうだと思われます。
レンタルサーバはどのように選んでいるでしょうか?
当然、そのサーバで何をやりたいかによって仕様やスペックが決まってきます。
それに当てはまったサーバをたくさんある会社の中から選ぶわけです。
また、当時はそのサーバが最適で低価格だったとしても、後からいろんなサービスが出てきます。
数年に一度は見直したほうがいいかもしれません。
コストと移行の手間、リスクを比較検討して判断していただければよろしいかと思います。
もう半年ほど前ですが、あるお客様でレンタルサーバーの移行作業を行いました。
同じサーバ会社で別のサービスが開始され、それに乗せ換えると料金は約半分、スペックは1.5倍。
乗せ換えない手はありません。
しかし、この中味が問題。
自分の会社と、一部客先向けのサービスを行っているのですが、以下の規模。
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・ドメイン:20
・メールアカウント:200
・固定IP:16
・SSLサイト:13
・SQLServer:7
・MySQL:2
・ASP、.net:11
・PHP、Javascript:2
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移行期間は2ヶ月。
これ、長いようで短い。
ホントにざっとですが流れになります。
■調査、整理
必要の無いドメイン、固定IP、SSLは無いか
通常のサイト(HTMLのみ)か、開発を行っているか?
データベースを使っているか(使っているのであれば何を)
■移行先サーバの準備
サイト作成
メールアカウント作成
データベース作成
各種設定(言語、メール周り(スパムチェックなど))
■移行元でバックアップ
HTML、プログラムソース
データベース※1
■移行先で復元
HTML、プログラムソース
データベース※1
■移行先で正常に動くか検証
DNSは変更できないので、IPで直接指定し検証
(もしくはhostsファイルを編集すれば名前でも検証可)
■スケジュール調整①
比較的簡単に移行できるドメイン先の調整
■移行①
特に問題ないドメインから移行
ホームページ(HTMLのみ)とメールのみは比較的簡単なので先にやってしまう
DNS変更※2
■動かない部分の調査
上記移行と平行して、動かない(不具合)箇所の調査
■スケジュール調整②
上記調査解決後、ドメイン先と調整(日時、移行後の注意点)
■移行②
順次移行作業
DNS変更※2
思った以上にスムーズに行きました。
結果的に1.5ヶ月ほどかかったでしょうか。
今回の作業で、知っておいたほうがよいと思われる2点を紹介します。
上記の※1、※2の部分です。
■※1 データベースの移行
・SQLServer
今回はお互いSQLServer2008でした
SQL Server Management Studioで両方サーバを登録すれば直接コピーできます
データベースを右クリック→タスク→データベースのコピー
・MySQL
こちらはそれぞれphpMyadminでバックアップ、復元になります
今回、これでタイムアウトになってしまい何度やってもダメでした
そこでタイムアウトの時間を延ばす方法です
phpMyAdminのディレクトリ内にある「libraries/config.default.php」を編集します
$cfg['ExecTimeLimit'] = 300;
上記の記述、デフォルトでは300(秒表示:5分)に設定されているので、適当な数字に変えてください
移行が終わったらデフォルトに戻してください
■※2 DNS変更時のTTL
TTLとは
こちらに分かりやすく書いてあります
簡単にいうとこの時間が過ぎればキャッシュの書き換えが始まりますよということ
今までの常識でDNSを変更すると浸透するまでに最大2日かかると言われてきました
これはこのTTLの設定が86400(秒)=1日が推奨されてきたから
なのでこれを短くすれば早く書き換わります
今回は60(1分)に設定しました
ただし気をつけなくてはいけないのが、TTLを変更してそれが反映されるのは、
現在設定されているTTLの時間が経過してからになります
ですのでTTLを変更する場合は、あらかじめ何日か前に変更しておくことをお勧めします
そのまま短くしておくことは危険ですので、こちらも移行が済みましたら元に戻してください
何よりも一番大切なのは段取りです。
一歩間違えればクレームになります。
慎重にやりましょう。